連載中
でじたる書房「悪魔のささやき~寝取られ妻、真由香1~」 幻創文庫「だるまさんが転んだ」 最近ようやく読むことが出来た二作がこちら。
↑やさしいうた/床子屋
更なる続編に期待。
↑Musa 2/攻め★弾正
完結。見事な作品だけにNTRとしてはやや賛否分かれるところか?
↑寝取ラレタ姫騎兵/我チ○コ書房
更なる続編がもうすぐ出るようで楽しみです。
実は最近読み返して気づいたんですが、
ヤブヌマのキャラはこの漫画の男が頭の片隅に残ってたとしか思えません。笑
苗字まで似てて自分で笑ってしまいました。
■悪魔のささやき 二巻■③
赤坂の広告制作会社でクリエイティブディレクターと打ち合わせを終えた貴彦は、その足で新宿へ車を走らせた。中央公園傍の地下駐車場へ車を滑り込ませ、目的地であるビルへ向かう。
夕方とはいえ、少し歩くだけでたちまち滝のような汗が吹き出る。
どこかで夏祭りでもあるのだろうか。浴衣姿の少女二人が、手を繋いで歌を歌いながら貴彦の横を駆けていった。
恒川興信所。
エレベーターで階を確認しボタンを押すと、大きく息をついた。
貴彦は矢崎の素性調査を依頼していた。
「どうも。暑い日が続きますね。どうぞ」
パーティションで仕切られただけの簡素な応接セットだったが、どうやら他の社員は帰ったようで、代表である恒川自ら麦茶を入れたコップを貴彦の前に置いた。
「うちみたいな小さな会社はとにかく経費削減、お茶酌みも社長の仕事でして」
そう言って笑うと、薄くなった頭をポリポリ掻きながらテーブルの上に調査ファイルを広げた。
「あ、煙草吸われましたよね。どうぞご遠慮なく」
■
貴彦が帰宅したのは日の暮れた7時半過ぎだった。
マンションの扉を開けると、見慣れたチェックのエプロン、白のTシャツにアイボリーのハーフパンツで優しい笑顔が迎えてくれた。真由香の爽やかさは何ひとつ変わっていない。
「おかえり。暑かったでしょ」
「ふー、外回りばっかでバテた」
白々しく言いながら真由香にバッグを預け、嬉しそうにしがみ付いてきた真貴を抱き上げる。
「パパー」
舌足らずな覚えたての言葉に、いつも以上に胸が痛んだ。
「お風呂沸いてるよ。さっぱりしたら?」
「うん」
ゆったり浸かることの出来る大きめの浴槽。マンション購入時に、175センチを超える貴彦のことを思って、真由香が浴槽まで厳しくチェックしてくれたことを思い出す。
貴彦は両足をバスタブの上に投げ出し、顎の半ばまで湯に浸かりながら目を閉じた。