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官能小説家ナオト。の、日々雑感。

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チョイダシ2

連載中
でじたる書房「悪魔のささやき~寝取られ妻、真由香1~」
幻創文庫「だるまさんが転んだ」
暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。
制作頑張ってますが、まだかかります。
チョイダシ2を。これはイントロダクション部分で前回の記事の前部分になります。
次回ブログをアップするときは、絵を少し見せられると思います。

あの温泉旅行から二週間と二日。
咲美が藪沼と再会する日が、いよいよ明日に迫った。

昼休み。
約束のファミリーレストランに向かう。

秋も深まり、イチョウが舗道に黄色い絨毯を敷き始めている。
最近は昼間も肌寒さを感じる。ビル風が冷たい。
咲美にそろそろコートを出してもらわなきゃ。
去年のボーナスで買った、咲美見立ての紺のコート。
角を曲がると、店のガラス越しに忌まわしい中年太りの男が見えた。

藪沼(やぶぬま)…。

僕は奴と、明日の予定を確認するため待ち合わせたのだ。

元々、妻咲美はパート先の上司である奴のことが大嫌いだった。
三白眼に厚い唇。鷲鼻の横には大きなホクロがあり、一度見ると忘れない顔。
身の程わきまえず女好きで、セクハラに遭っているのは妻だけではなかった。
上部の者にへつらい、慣れない新人のバイトにねちねち説教するところなど、嫌っていたのは外見ばかりではなかった。

そんな男と、妻咲美が肉の契りを結んだ。
経緯はあったにせよ、咲美は奴の肉竿に翻弄された。
あんなに嫌っていたオヤジにしがみつき、
足を巻きつけ嬌声を上げながら、
汚れた男根に狂喜乱舞したのだ。
部屋の扉をノックする僕を無視して、
唇を許し、気をやったのだ。

あろうことか、再会の約束まで了承して…。

所詮、女とはこんなものか。
年月をかけてこつこつ育んだ夫婦の絆など、
ただ一度の肉交で吹き飛ぶほど、なんと脆弱なものか。

淫らで浅ましい。
結局一皮向けば、女などそういう生き物じゃないか。

淫らに落ちるのならば、とことん淫らになればいい。
ふしだらで、破廉恥な女になってしまえ。
僕の歪んだ劣情のマグマは、今にも爆発しそうだった。

店内に入ると、窓際の席で藪沼がウエイトレスと話しこんでいるのが見えた。

「あ、ご主人どーもどーも」
「お待たせしました」
「いらっしゃいませ」
ウエイトレスに僕はAランチを注文した。
「ご主人モテるでしょう?」
「は?」
「いや、あのウエイトレス、私のときより全然愛想がいい」
「………」
「キミ女子大生?って訊いたらムスッとして無視ですよ。ご主人ならたぶん答えてると思いますよ」
「………」
「ったく、最近の若い女は社交辞令ってのを知らない。自惚(うぬぼ)れんじゃないよ」

去っていくウエイトレスの後姿に舌打ちをしながら、藪沼は小声で文句を言った。
この男は咲美の言うとおりだ。
デリカシーというものが感じられない。

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